Illustrator MCPでポスターを編集してみた。実際に分かった得意・不得意|AI実験ノート #22

ポスター画像をAIが解析し、編集可能なIllustratorデータへ再構成する流れを、印刷物と編集画面の比較で表現したAI実験ノート Vol.22のアイキャッチ AI実験ノート

前回は、グラフ画像をIllustratorデータへ戻す実験を行いました。

グラフはルールが決まっているため、想像以上に高い精度で再構成できました。

そこで今回は、もっと難しいものに挑戦します。

生成AIで作ったポスター画像です。

写真、タイポグラフィ、装飾、自由なレイアウト。

AIは、ここまで複雑なデザインを編集できるIllustratorデータへ戻せるのでしょうか。

一回目。正直、心が折れそうになりました。

最初は、とてもシンプルなお願いをしました。

この画像をIllustratorで編集できるデータにしてください。

結果がこちらです。

Illustrator MCPでポスター画像を編集可能なデータへ変換した1回目の結果
1回目。「画像をIllustratorで編集できるデータにしてください。」というシンプルな指示だけでは、文字やオブジェクトは認識しているものの、レイアウトは大きく崩れていました。

正直、心が折れそうになりました(笑)。

文字もオブジェクトも認識しているようですが、元画像の上へバラバラに配置したような状態です。

「これは難しいかな……。」

そう思いました。

でも、よく見ると一つ気付いたことがありました。

文字そのものは認識できていそう。

だったら、元画像の文字を消してしまえば、もっと精度が上がるのでは?

そう考えました。

二回目。少しプロンプトを変えてみる。

今度は、こんな指示に変えました。

画像の文字を消して、テキストとして配置してください。

Illustrator MCPでポスター画像を再構成した2回目の結果
2回目。画像内の文字を消し、編集可能なテキストとして再配置。レイアウトも一回目より大きく改善しました。

かなり良くなりました。

文字が画像から独立し、編集できるテキストとして配置されています。

レイアウトも一回目よりずっと自然です。

ここで、「これはいけるかもしれない。」という手応えがありました。

三回目。差分だけを修正してもらう。

最後は、さらに細かくお願いしました。

元画像と見比べて差分を修正してください。
左上のタイポグラフィーはトレースして配置してください。

Illustrator MCPでポスター画像をさらに改善した3回目の結果
3回目。元画像との差分を修正し、タイポグラフィーはトレースして再配置。完成度が一気に向上しました。

ここで一気に精度が上がりました。

タイトルの迫力。

文字の位置。

装飾。

かなり元画像に近づいています。

もちろん100%同じではありません。

でも、ここからなら1時間もあれば、手作業で十分仕上げられる。

そう感じました。

AIは、一発で完成させるものではありませんでした。

今回、一番印象に残ったのはAIの性能ではありません。

AIとの対話です。

一回目は失敗。

でも、「なぜ失敗したんだろう。」と考え、プロンプトを少し変える。

また試す。

また改善する。

そうやって、少しずつ完成度が上がっていきました。

AIを止めるタイミングも大切。

今回の体感では、

  • 1回目:約1分
  • 2回目:約5分
  • 3回目:約15分

という感じでした。

ここから先もAIは修正を続けられます。

でも、改善の幅は少しずつ小さくなります。

それなら、ある程度できたところでAIを止めて、最後はデザイナーが仕上げた方が早い。

今回の実験で、一番しっくりきた役割分担でした。

💡 AI先生の知恵袋

Illustrator MCPの得意なこと・苦手なこと

Illustrator MCPの得意なことと、まだ苦手なことを比較して示した図解

今回の実験を通して、Illustrator MCPには得意なことと、まだ苦手なことがあることが分かりました。

得意なのは、テキストの認識や単純な図形の再構成、画像内の文字を消すなどの下準備です。

一方で、複雑なタイポグラフィーや細かな文字組み、レイアウトを一度で完全に再現するのはまだ苦手でした。

今回のポスターでも、最初は大きくレイアウトが崩れていました。しかし、結果を見ながらプロンプトを改善していくことで、完成度は大きく向上しました。

現時点では、AIに100%完成させてもらうというより、80〜90%までAIが仕上げ、最後はデザイナーが調整する。

この役割分担が、一番効率の良い使い方だと感じています。

※2026年7月時点で、実際にIllustrator MCPを試した結果をもとにまとめています。今後のアップデートによって、できることは増えていく可能性があります。

まとめ

Illustrator MCPを使う前は、「AIがIllustratorを操作できる。」そんな機能だと思っていました。

でも実際に試してみると、価値を感じたのはそこではありません。

完成画像を、編集できるデータへ戻す。

この使い方だけでも、制作フローは大きく変わる可能性があります。

まだ100点ではありません。

でも、デザイナーが仕上げるための80〜90点を作る。

そこに、Illustrator MCPの一番の可能性を感じました。

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