Illustrator MCPでグラフを編集可能なデータにしてみた|AI実験ノート #21

AIがPNGのグラフ画像を解析し、編集可能なIllustratorデータへ再構成する流れを比較表示で表現したAI実験ノート Vol.21のアイキャッチ AI実験ノート

最近、Illustrator Betaに追加されたMCP機能を試しています。

最初は、「AIがIllustratorを操作できるらしい。」そんな軽い興味から始まりました。

思っていたより、できることは少なかった。

最初に試したのは、「丸を描いて。」という、とても簡単な指示です。

ところが結果は少し意外でした。

新しい図形を直接描くことはできず、SVGを生成してIllustratorで開くという方法になりました。

色の変更や拡大・縮小、既存オブジェクトの編集は問題なくできるものの、

「これだけなら、まだ実務では使わないかな。」

そんな印象でした。

発想を変えてみた。

そこで少し考え方を変えてみました。

「Illustratorでデザインを作らせる」のではなく、

「画像をIllustratorデータに戻せないだろうか。」

そう考えたんです。

試したのは、ただのグラフ画像。

用意したのは、以前作った棒グラフの画像です。

そしてCodexにお願いしたのは、たった一文。

これを幅60×高さ50mmのイラレデータにして。
テキストの最低サイズは5pt。

それだけでした。

思っていた結果と違った。

正直、背景画像を貼り付けるだけだと思っていました。

ところが出来上がったのは、編集できるIllustratorデータでした。

棒グラフはオブジェクトとして作られ、タイトルや項目名、数値もテキストとして配置されています。

もちろん100%同じではありません。

文字間や余白など、細かな調整は必要です。

それでも、ゼロから作り直すことを考えれば、かなり完成度の高い状態でした。

グラフ画像をIllustrator MCPで編集可能なデータへ再構成した比較画像
左:元のグラフ画像 右:Illustrator MCPで再構成したIllustratorデータ。棒グラフはオブジェクト、タイトル・項目名・数値はテキストとして配置されているため、通常のIllustratorデータと同じように編集できます。

ここに価値を感じました。

今回驚いたのは、AIがデザインを作ったことではありません。

画像を、編集できるIllustratorデータへ戻したこと。

広告デザインの仕事では、「画像しか残っていない。」というケースは意外と多くあります。

PowerPointやPDF、スクリーンショットしか残っていない資料も珍しくありません。

それらをIllustratorで編集できる状態に戻せるなら、作業時間はかなり短縮できそうです。

おそらくIllustratorには、もともとグラフ作成機能があります。そのため、画像から数値や項目名を読み取れれば、比較的正確に再構成しやすいのだと思います。

また、テキストの入力や配置も問題なく行えたため、グラフ画像のベクター化はかなり実務で使えそうな印象でした。

AIは完成品より、下準備が得意なのかもしれない。

今回の実験で感じたのは、AIは完成品を100点に仕上げるより、人が作業を始めやすい80〜90点の状態を作るのが得意なのかもしれない、ということです。

そこから最後の文字組みや余白の調整は、デザイナーが数分で仕上げた方が早い。

この役割分担は、これからの制作ではかなり相性が良さそうです。

今回の実験結果

できたこと

  • 画像から棒グラフを再構成
  • 編集可能なIllustratorデータを生成
  • タイトル・項目名・数値をテキスト化
  • 指定サイズ(60×50mm)でレイアウト
  • 最低文字サイズ5ptを考慮した配置

想像以上に精度が高く使える。
デザインを統一して複数のグラフを作れるか?というのをこれから試していきたいと思います。

まとめ

Illustrator MCPを試し始めたときは、「AIがIllustratorを動かせる。」ということばかり気になっていました。

でも実際に仕事で試してみると、面白かったのはそこではありませんでした。

画像を、編集できるIllustratorデータへ戻す。

この使い方は、思っていた以上に実務向きでした。

次は、生成AIで作ったポスターを、どこまで編集できるIllustratorデータへ戻せるのか試してみようと思います。

💡 AI先生の知恵袋

MCPを使うと、AIはIllustratorを操作できる

MCPがAIとIllustratorをつなぎ、画像から編集可能なIllustratorデータを作成する流れを示した図解

今回の実験では、Codexが画像を解析し、「Illustratorデータにして」という指示をもとに作業を行いました。

その橋渡しをしているのがMCP(Model Context Protocol)です。

MCPを使うことで、AIはIllustratorと連携し、オブジェクトの作成や文字の配置などを実行できます。

今回は、グラフ画像を解析し、棒グラフはオブジェクトとして、タイトルや項目名、数値はテキストとして再構成されました。

AIだけではなく、MCPを通してIllustratorとつながることで、編集できるIllustratorデータが作られています。

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