ドメイン、メール、サイト公開。
私はこれまで、すべて同じサービスで管理するものだと思っていました。
レンタルサーバーを契約して、そこで独自ドメインを設定する。
Webサイトを公開し、同じドメインのメールアドレスも作る。
実際、私自身のサイトでは、このような使い方をしています。
そのため、ある企業のWebサイトをリニューアルするときも、
「Webサイトの公開先を変えたら、ドメインやメールも一緒に移さなければならない」
と思っていました。
ところが、実際に移行してみると違いました。
独自ドメイン、メール、Webサイトの公開場所は、それぞれ別のサービスを使っても問題なかったのです。
今回は、Squarespaceで運用されていたサイトを、AIと一緒に作った新しいサイトへ移行しました。
その過程で初めて理解した、ドメイン、メール、サイト公開の関係について紹介します。
Squarespaceを解約しないと移行できないと思っていた
もともとのWebサイトは、Squarespaceで運用されていました。
新しいサイトは、AIと一緒にデザインやコードを作り、Cloudflare Pagesで公開することにしました。
ブラウザ上で表示を確認し、Cloudflare Pagesにもアップロードできました。
新しいサイト自体は、すでにインターネット上で見られる状態です。
ただし、この段階で使っていたのは、Cloudflare Pagesから発行されたURLでした。
これまで使っていた独自ドメインでは、まだSquarespaceのサイトが表示されています。
しかも、Squarespaceの契約期間は残っていました。
私はここで、
「Squarespaceを解約しないと、同じ独自ドメインで新しいサイトを公開できないのでは?」
と考えました。
先に古いサービスを解約する。
そのあと、独自ドメインを新しい公開先へ移す。
そんな順番を想像していたのです。
しかし、新しいサイトが問題なく動くか分からない状態で、先にSquarespaceを解約するのは不安でした。
クライアントのサイトなので、表示できない期間が生まれるのも避けたいところです。
「契約」と「サイトの向き先」は別だった
AIに教えてもらいながら調べていくと、Squarespaceの契約を続けることと、独自ドメインでどのサイトを表示するかは、別の話だと分かりました。
Squarespaceの契約が残っていても、独自ドメインの向き先は変更できます。
今回であれば、独自ドメインへアクセスしたときの案内先を、SquarespaceからCloudflare Pagesへ切り替えました。
すると、Squarespaceを解約しなくても、同じ独自ドメインで新しいサイトを公開できました。
古いサービスの契約を終了することと、新しいサイトを公開することは、同じタイミングでなくてもよかったのです。
新しいサイトを公開し、表示や動作を確認する。
問題がないことを確かめてから、古いサービスの契約をどうするか判断できます。
これは、私にとってかなり安心できる発見でした。
独自ドメインは、サイトそのものではなかった
私は、独自ドメインとWebサイトを、ほとんど一つのものとして考えていました。
しかし、独自ドメインはWebサイトそのものではありません。
分かりやすく考えるなら、独自ドメインはインターネット上の住所です。
そしてDNSは、その住所を訪れた人に、
「Webサイトはこちらにあります」
と案内する役割を持っています。
以前は、その案内先がSquarespaceでした。
今回は、その向き先をCloudflare Pagesへ変更しました。
住所である独自ドメインは変わりません。
訪れる人も、これまでと同じURLからアクセスできます。
変わったのは、その住所から案内されるWebサイトの置き場所だけでした。
この関係が分かると、
「ドメインを移す」
「サイトを移す」
「契約を解約する」
という言葉も、それぞれ別の作業として考えられるようになりました。
サイトの公開先を変えたら、メールも止まると思っていた
もう一つ不安だったのが、メールです。
今回の企業では、独自ドメインのメールをGoogle Workspaceで運用していました。
Webサイトと同じ独自ドメインを使っているため、サイトの公開先を変更したら、メールも使えなくなるのではないか。
そう思っていました。
Webサイトが無事に表示されても、クライアントのメールが止まってしまっては困ります。
しかし、ここでもWebサイトとメールは別々に考えられました。
WebサイトをCloudflare Pagesで公開しながら、メールはGoogle Workspaceを使い続けられます。
同じ独自ドメインでも、
- Webサイトをどこで表示するか
- メールをどこで送受信するか
は、それぞれ異なる設定で管理されていました。
Cloudflare Pagesへサイトの向き先を変更しても、Google Workspaceでメールを使うためのDNS設定を残しておけば、メールはそのまま利用できます。
もちろん、DNSの設定を誤って削除すれば、メールに影響する可能性があります。
何も確認せずに変更してよいわけではありません。
それでも、
Webサイトを移したら、メールも一緒に移さなければならない
というわけではありませんでした。
一つのサービスで、全部管理しなくてもよかった
今回の移行で使ったサービスを整理すると、役割は次のように分かれています。
- 独自ドメイン:これまでと同じものを使用
- DNS:アクセス先やメールの行き先を案内
- Webサイト:Cloudflare Pagesで公開
- メール:Google Workspaceで運用
- 旧サイト:Squarespaceで契約
最初は、複数のサービスが登場するだけで難しく感じました。
どれか一つを変更すると、ほかのすべてにも影響するように見えていたからです。
しかし、役割ごとに分けてみると、少しずつ仕組みが見えてきました。
独自ドメインは、Webサイトの置き場所ではありません。
メールも、Webサイトの中にあるわけではありません。
Squarespaceの契約が残っていても、別の場所で新しいサイトを公開できます。
つまり、一つのサービスに全部をまとめる必要はなかったのです。
分かりやすさでは、レンタルサーバーがよくできている
別々のサービスを組み合わせられると分かる一方で、レンタルサーバーの便利さにも気づきました。
レンタルサーバーでは、Webサイトの公開、独自ドメインの設定、メールなどを、一つの管理画面で扱えることがあります。
利用する側は、それぞれの仕組みを細かく意識しなくても使えます。
私自身もこれまで、それが当たり前だと思っていました。
今回、Cloudflare PagesやGoogle Workspaceなど、異なるサービスの役割を一つずつ確認したことで、レンタルサーバーが複数の仕組みを分かりやすくまとめてくれていたことに気づきました。
一つのサービスにまとめる方法が間違っているわけではありません。
管理のしやすさを考えると、とても合理的です。
ただ、必ず一つにまとめなければならないわけでもありませんでした。
目的に合わせて、それぞれ別のサービスを選ぶこともできます。
サイトが表示されても、移行は終わらなかった
独自ドメインで新しいサイトが表示されたときは、
「これで移行できた」
と思いました。
ところが、Webサイトが表示されることと、必要な機能がすべて動くことは別でした。
特に難しかったのが、お問い合わせフォームです。
Squarespaceには、サービスの中にフォームを送信する仕組みがあります。
一方、AIと一緒にコードで作ったサイトをCloudflare Pagesで公開する場合、入力された内容をどのように送信するのか、別に考える必要がありました。
最終的には、Cloudflare Functions、Resend、Turnstileを組み合わせる構成になりました。
ここは今回の記事の主題から外れるため、詳しい設定方法には触れません。
ただ、ホームページサービスから別の公開方法へ移行するときは、ページの見た目だけでなく、フォームなどの機能も確認する必要があります。
「サイトが表示されたから移行完了」ではなかったのです。
公開後にも、仕上げが残っていた
お問い合わせフォームが動き、新しいサイトを公開できました。
今度こそ完成だと思いました。
しかし、AIに確認すると、まだ作業は残っていました。
アクセス状況を確認するためのGA4やClarity。
検索エンジンにサイトの情報を伝えるSearch Console、sitemap.xml、robots.txt、canonical。
ブラウザやSNSでの見え方を整えるfaviconやOGP画像。
サイトの見た目には、ほとんど影響しないものもあります。
それでも、検索、解析、ブランド、今後の運用を考えると、公開後に確認しておきたい項目でした。
最初は、AIでデザインを作り、コードを書き、インターネット上に表示できれば完成だと思っていました。
でも、実際のサイト公開は、その先まで続いていました。
公開後に確認した項目は、次の記事でチェックリストと一緒にまとめています。
Webサイト公開後にやること15選|見落としがちな「公開後の仕上げ」をまとめました
まとめ|それぞれの役割を分けると、仕組みが見えてきた
私はこれまで、独自ドメイン、メール、Webサイトの公開は、すべて同じサービスで管理するものだと思っていました。
しかし、今回の移行では、
- 独自ドメインはそのまま使用する
- WebサイトはCloudflare Pagesで公開する
- メールはGoogle Workspaceを使い続ける
- Squarespaceは契約期間が残った状態で切り替える
という構成で運用できました。
ドメイン、メール、サイト公開は、それぞれ役割が違います。
同じ独自ドメインを使っていても、すべてを同じサービスにまとめる必要はありませんでした。
今回、一番大きかったのは、Cloudflare Pagesの設定方法を覚えたことではありません。
一つに見えていた仕組みを、役割ごとに分けて考えられるようになったことです。
仕組みが分からないと、どこか一つを変更するだけで、すべてが止まりそうに感じます。
でも、それぞれの役割が分かれば、残すものと変更するものを分けて考えられます。
ドメインも、メールも、サイト公開も、全部同じサービスじゃなくてよかった。
実際にサイトを移行したことで、ようやくその意味が分かりました。

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