生成AIでデザイン発注は変わった。でも、その先が難しい。|デザインとAI Vol.01

生成AIのイメージ画像とデザイン提案を比較し、対話を通じて本当の意図を探る様子を表現した「デザインとAI」Vol.01のアイキャッチ デザインとAI
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最近、クライアントワークでも、生成AIで作ったイメージ画像をいただくことが増えてきました。

「こんな雰囲気でお願いします。」

以前は言葉だけで説明していたイメージが、一枚の画像で共有できるようになりました。

これは本当に大きな変化です。

デザインの打ち合わせもスムーズになりましたし、「こんな感じなんだな」という共通認識も作りやすくなりました。

だから私は、生成AIがデザインの現場に入ってきたことを、とても良い変化だと感じています。

でも最近、制作を進めながら一つ気付いたことがあります。

それは、画像があるからこそ、「どこが良いと思ったのか」が分からなくなることがある、ということです。

同じ画像を見ても、見ている場所は違う

先日、あるポスターの打ち合わせで、発注資料として生成AIで作られたイメージ画像を見せていただきました。

とてもインパクトがあって、明るく、元気が出るデザインです。

「この方向で進めましょう。」

最初はそんな話をしていました。

ところが、商品の話を聞いていくと少し違和感がありました。

その商品は価格帯もしっかりしていて、素材や品質にも強いこだわりがあります。

だとすると、本当に伝えるべきなのは、元気な印象よりも、高級感や信頼感ではないだろうか。

そんなことを感じたんです。

そこで、「この画像のどこが気に入りましたか?」と聞いてみました。

返ってきた答えは、私の予想とはまったく違いました。

「コピーがしっかり目に入るところが良かったんです。」

なるほど。

発注者が見ていたのは、デザイン全体の雰囲気ではありませんでした。

コピーの伝わりやすさだったんです。

それなら、方法はいろいろあります。

周りの情報を少し整理する。

余白を活かす。

視線の流れを工夫する。

必ずしも、その参考画像のテイストを再現する必要はありません。

危うく、みんなで違うゴールを目指して進んでしまうところでした。

AI以前は、もっと細かく話していた

少し前までは、参考資料を何枚も並べながら話すことが多くありました。

「このデザインの色が好きです。」

「このレイアウトの余白が好きです。」

「このフォントの雰囲気がいいですね。」

そんなふうに、一つずつ確認しながら方向性を決めていました。

生成AIは、一枚で完成形のようなイメージを作ってくれます。

だからこそ便利です。

でも、その完成形があることで、「何が気に入ったのか」を話す時間が少し減ってしまったようにも感じています。

デザイナーが知りたいのは、画像の理由

生成AIで作った画像は、目的地の写真によく似ています。

「こんな場所へ行きたい。」

それは、とてもよく伝わります。

でも、その目的地までの地図はまだ描かれていません。

デザイナーが知りたいのは、画像そのものではなく、その画像を選んだ理由です。

例えば、

  • 何を解決したいのか
  • 誰に届けたいのか
  • どんな場面で使うのか
  • この画像のどこが気に入ったのか

そんな背景が分かるだけで、提案できるデザインは大きく変わります。

生成AIは、会話のスタート

もし、生成AIで作った画像しかなくても大丈夫です。

「この色が好き。」

「この余白が見やすい。」

「この高級感がいい。」

そんな一言があるだけで、デザイナーは意図を整理しながら提案できます。

生成AIのおかげで、デザインの発注は以前よりずっと具体的になりました。

でも、本当に良いデザインを作るために必要なのは、一枚の画像だけではありません。

その画像について、一緒に話す時間です。

デザインは、答えを描く仕事ではありません。

一緒に答えを見つけていく仕事です。

生成AIのおかげで、そのスタートラインはぐっと近くなりました。

あとは、その画像を見ながら少し話してみるだけ。

そんな対話の中から、本当に伝わるデザインが生まれるのだと、最近は感じています。

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